天浄沙・秋の思い
元代・馬致遠
元代・馬致遠
枯藤老树昏鸦,小桥流水人家,古道西风瘦马。(枯れた蔓、老木、夕闇のカラス。小さな橋、流れる水、人家。古道、秋の西風、痩せた馬。)
夕阳西下,断肠人在天涯。(夕日は西へ沈み、身を裂かれるほど悲しむ人は、遠い空の果てにいる。)
アニメーションの内容は中国語の原版を保持しています。
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枯れたつるが老木に絡まり、夕暮れの烏が枝に戻る。小橋の下を水が流れ、橋のそばには人家がある。古い道では、西風が痩せた馬に吹きつける。夕日は次第に沈み、心を痛める旅人はいまだ故郷から遠く離れている。
天浄沙:曲牌の名で、越調に属する。本作は散曲の小令である。昏鴉:黄昏時のカラス。古道:古い道。西風:秋風。
断肠人:深い悲しみにある人。ここでは旅にある者を指す。天涯:故郷から遠く離れた地。地理的に実際の世界の果てである必要はない。
冒頭の三句は九組の景物を連ねており、それぞれに物語を補う必要はない。「小桥流水人家」、小橋、流れ、人家は、帰る家のある暮らしと旅人との対照としても読める。
作品案内:馬致遠はきわめて短い小令で秋の旅愁を描く。全篇はわずか五句で、最後の句になって初めて人物の悲しみが明示される。それ以前の古道、夕日、巣へ帰る鳥が、すでにその感情を少しずつ準備している。
枯れた蔓、老木、夕暮れのカラスは景色を衰え寂しくするが、小橋、流れる水、人家は日常の安らぎを保つ。安らかに暮らす人がいるからこそ、古道をさすらう者には、帰る拠り所がないことがいっそう際立つ。
最後の二句は時間と人物を一つに収める。日はすでに沈んだが、人はいまだ天の果てにいる。曲中には長々とした訴えはなく、景物の組み合わせがすでに叙事と抒情を担っている。そのため、この短い作品は深い余韻を持つ。
詩から、物語の中へ
故郷を離れて十四年、顧遅は老馬の榆銭を市場へ引いていった。売れば帰郷の船賃がそろう。だが買い手は古い鞍をめくり、馬の背に軍の焼き印を見つけると、手綱を握って当初の値での交渉を拒んだ。一人と一頭は古道の小さな宿へ逃れる。橋の下には水があり、家の中には灯がある。それでも馬の背の古い印は、彼と帰郷の道の間に横たわったままだった。
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