夏日南亭懐辛大(夏の日、南亭で辛大を思う)
唐代・孟浩然
唐代・孟浩然
山光忽西落,池月渐东上。(山を照らす日の光はたちまち西に沈み、池に映る月はしだいに東から昇る。)
散发乘夕凉,开轩卧闲敞。 髪をほどいて夕涼みをし、窓を開け、静かで広々とした所に横たわる。
荷风送香气,竹露滴清响。 蓮を渡る風が香りを送り、竹の露が滴って澄んだ音を立てる。
欲取鸣琴弹,恨无知音赏。(琴を取って奏でたいが、その音を理解し味わう友のいないことが惜しまれる。)
感此怀故人,中宵劳梦想。(この景色に心を動かされて旧友を思い、夜中も夢にまで慕って心を疲れさせる。)
アニメーションの内容は中国語の原版を保持しています。
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山あいの日の光はたちまち西へ沈み、池辺の月は徐々に東から昇る。私は髪をほどいて夕涼みをし、窓を開け、広々とした静かな場所に横たわる。風が蓮の花の間から香りを運び、竹の葉から滴る露が、澄んだ音を立てる。
琴を取り寄せて弾こうと思うが、この音を理解し、ともに味わう人がいないのが惜しい。そこで旧友を思い出し、夜半になってもなお、思いと夢の中でその人を追い求めている。
辛大:辛姓の友人。「大」は兄弟間の排行を示す。山光:山間の夕日の光。轩:窓。闲敞:静かで広々としていること。
鳴琴:心地よい音を奏でる琴。知音:音楽を理解する人。また、自分を理解してくれる友人。中宵:真夜中。労夢想:思慕や夢の中の思いに心をとらわれること。
作品案内:孟浩然は夏の夜の夕涼みを、友を思う作品として描いた。前半では独り過ごす場の清らかな静けさを存分に描き、後半では琴を弾こうとする思いから、心を理解してくれる友の不在を浮かび上がらせる。心地よい自然の景色も、人の理解や寄り添いの代わりにはならないことを示している。
「忽」(たちまち)と「渐」(次第に)が、それぞれ日没と月の出を描き、時間の移り変わりはきわめて自然である。蓮の香りも竹から落ちる露の音もかすかで、人は静まって初めて鋭敏に感じ取れる。
琴を手に取ろうとする思いが、全篇の転換となる。もともと心安らかな独居は、共に味わう相手がいないために物足りなさを帯びる。結びはその感情を夜半まで延ばし、友情の思い出を直接詳述せずとも、その深さを十分に伝えている。
詩から、物語の中へ
蓮が咲くたび、耳の聞こえない沈無咎は南亭に琴と酒を用意し、何年も来ない賀庭を待つ。旧友の消息を携えて来た若者は、口を開くなり、二人が完成させられなかった《蓮の夜》の楽譜を買いたいと言った。楽譜の終章は今も空白で、若者が手を置く位置も、彼の知る昔の指使いとは違う。音のない琴卓を挟み、沈無咎は先に値段を話したくもなければ、何かをとうに逃してしまったのかもしれないと認める気もなかった。
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