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落日胡尘未断,西风塞马空肥。(日が沈んでも異民族の戦塵はやまず、西風の中、辺境の馬はむなしく肥えている。)

木蘭花慢・宴席で興元の帥として赴く張仲固を送る

宋代・辛棄疾

汉中开汉业,问此地、是耶非。想剑指三秦,君王得意,一战东归。追亡事、今不见,但山川满目泪沾衣。落日胡尘未断,西风塞马空肥。(漢中で漢の大業は始まった。ここがその地なのか、そうではないのかと問う。思えば剣を三秦に向け、君王は意気盛んに、一戦して東へ帰った。逃げた賢才を追い求めるようなことは、今は見られず、ただ山川を目いっぱいに見て、涙が衣をぬらす。落日の中、敵騎の砂塵はいまだ絶えず、西風に辺境の馬はむなしく肥えている。)

一编书是帝王师。小试去征西。更草草离筵,匆匆去路,愁满旌旗。君思我、回首处,正江涵秋影雁初飞。安得车轮四角,不堪带减腰围。(一巻の書で帝王の師となるほどのあなたは、腕試しに西へ征く。別れの宴も慌ただしく、旅路へ急ぎ、軍旗には憂いが満ちる。あなたが私を思って振り返るころ、川は秋の姿を映し、雁が飛び始めているだろう。車輪に四つの角があればよいのに。別れの悲しみに痩せて、帯の下の腰回りが細るのには耐えられない。)

詩情を流れにのせて

詩の情景アニメーション

アニメーションの内容は中国語の原版を保持しています。

アニメーションの準備ができました。

AI画像生成

現代語訳

漢王朝の事業は漢中から始まった。さて、今この地は、あの頃の漢中と同じなのだろうか。劉邦が意気盛んに三秦へ進み、一挙に東へ出て天下を争った姿を遥かに思う。逃げ去る賢才を追い戻し、重責を任せるようなことは、今ではなかなか見られない。目の前に広がる山河を前に、ただ涙で衣をぬらすばかりだ。夕日の中でも敵の脅威はやまず、西風の中、辺境の軍馬はむなしく肥え太らされている。

あなたは兵書を授かり、帝王の師となるに足る張良のような人だ。西方の軍政を取り仕切る今回の赴任も、才能を少し試すほどのことだろう。それなのに、別れの宴も旅立ちも慌ただしく、供の旗まで別離の愁いをいっぱいに帯びているようだ。いつかあなたが私を振り返って思うころ、川には秋の光が映り、初雁が飛び立っているだろう。どうすれば車輪に四つの角を生やし、あなたの車を引き留められるのか。別れの愁いで日ごとに痩せてゆくことに、私はどうしても耐えられない。

注釈

张仲固:張堅、字は仲固。帅兴元:興元へ赴いて軍政を統轄すること。興元は現在の陝西省漢中一帯にあった。

三秦:秦の滅亡後、関中が分封された三つの地域。この詞では、劉邦が三秦を再び平定した故事を用いる。追亡:蕭何が逃亡した韓信を追い戻し、大将に推薦した故事。

胡尘:北方から来る戦乱や敵の脅威を指す比喩。塞马空肥:「空」には、兵力が使われず、何も成し遂げられないことへの嘆きがある。

一编书、帝王师:張良が黄石公から兵書を授かった故事。旌旗:旗。友の旅の儀仗を表す。江涵秋影雁初飞:杜牧の『九日斉山登高』の詩句を踏まえた表現。

车轮四角:車輪に角が生えて旅人が去れなくなることを願う詩の発想を取り入れている。带减腰围:愁いによって痩せること。

作品紹介

作品案内:辛棄疾が、興元へ赴任する張仲固の送別のために詠んだもので、漢中の歴史と南宋の現実を結びつけている。友人の才能をたたえる一方、人材や兵力が十分に力を発揮できていないことを嘆き、下片では国事から個人的な惜別の情へと移る。

鑑賞解説

冒頭の「是耶非」(ここなのか、そうではないのか)は地名を知らないのではなく、同じ山川なのに、昔と今でなぜこれほど様相が違うのかと問い返している。劉邦、韓信、張良の故事は、人材登用と功業を中心に展開され、見送りの言葉に明確な政治的期待を与えている。

「空肥」、むなしく肥えるという表現の後には、大志を阻まれた無念がすでに鮮明になっている。結びでは勇ましい標語を掲げず、車輪に角が生えることや、腰回りが次第に細くなることによって別れを惜しむ思いを描く。国事を案じることと友情を大切にすることが、この詞では互いに排斥し合わないと示している。

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送別の宴がまだ終わらないうちに、謝臨の車は門の敷居のところで壊れてしまった。老幕僚の温策は車大工を叱るふりをしていたが、手のひらは汗でびっしょりだった。軸穴の木の楔は、彼自身が押し込んだものだった。知り合って二十六年、彼はただ旧友をもう一晩引き留め、秋の酒を共にしたかった。だが興元からの悪い知らせは、とうに先に届いていた。隠されたあの手紙は、壊れた車輪一組よりも、卓上に出すのが難しかった。

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