古風な世情長篇小説
戸の下のあの手
酷無極 · AI創作 · 4863 字 · 約 13 分
九日にひと目確かめるつもりだったが、許慎はとうとう見に行かなかった。朝、阿穂が糸玉が窓の下からよく転がり出すと言ったので、新しい錐を持ってきて、寝台脇の小さな木の台に穴を二つ足し、糸を通せる小さな栓も削った。長い錐は古い鑿よりもすんなり木に入った。母はそばで見ていて、ときおり丸まった削り屑を拾い、指でつまんで、これは焚きつけにできるねと言った。作業を終えて顔を上げたときには、薬屋へ行こうと思っていた時刻をもう過ぎていた。
午後でも行けると思った。だが午後になると、任の店に窓紙を急ぎで張り替えてほしいというなじみ客が来た。親方は彼がもう戸を納めたのを見て、魏策を連れて行ってこいと言った。自分で引き受ける仕事ができたばかりで、店の仕事を断りたくはなかった。出かけて戻ると、また日が暮れていた。薬屋からはひと晩じゅう使いが来なかった。あの戸が代わりに、今も具合はいいと一度答えてくれたかのようだった。
十日の朝、陳生は薬屋で、古い竹の引き出しを入れた箱を運んでいた。臘月にもうひと巡りして九日に着き、壺の数を前より早く確かめ終えたので、夜はいつもどおり裏の廊下にむしろ一枚分の場所を借りた。新しい戸の彫り模様は、近くで見ると浅かった。手を伸ばして触れ、あのおばさんが息子は手元が確かだと言っていたのを思い出し、自分までうれしくなったが、しゃがんで戸の下に隠れているものを見はしなかった。
箱が戸口を通るとき、角の一つが戸の受け座の脇につかえた。陳生と店の者がそれぞれ片手をずらすと、小さな木の楔がそれにつれて外へずれたが、二人とも気づかなかった。新しい敷石はまだ濡れていて、箱の下で何かを引きずる短い音がした。周同が戸を押さえに来て、長いほうを先に外へ回すよう言った。彼が戸枠に手を当てたそのとき、戸板が急に沈み、上のほうでふっと息が抜けたかと思うと、戸が丸ごと横へ傾いて落ちた。
周同の叫びは短かった。まず痛みをこらえたようだった。陳生は箱から手を離して戸を支えにかかった。桟に肩を打たれてしびれた。店員も飛びついたが、二人で支えてもそれ以上落ちないようにするのが精いっぱいで、どちらも手を離せなかった。枠を支えていた周同の手は戸の縁に挟まれ、体は戸の傾きに沿って低いほうへ縮こまった。引っ張るな、引っ張るな、とだけ口にした。
陳生は今下ろした箱を足で戸の下へ蹴り込んだ。箱板はきしんだが、ようやく一角を支えた。余り材を一本届けに来た魏策が、ちょうど路地の外から見つけ、荷を放って駆け寄った。まず急に持ち上げるな、戸が回れば手にもう一度力がかかると言った。彼がもう一方を支え、三人で少しずつ戸の桟をずらして、周同の手がようやく隙間から抜けた。
二本の指はたちまち腫れ、関節は曲がったままで、手の甲についた木の粉には血が少し混じっていた。斉先生が奥から出てきて、周同を明るいところへ連れていき、まず傷を見せなさい、皆で手を引っ張ってはいけないと言った。ひと目見ただけで大丈夫だとは言わず、どのように力がかかったかを聞き、まず清潔な布で手を保護しただけで、周同には座っているように、立ち上がって品物を数えることなど考えないようにと言った。
周同はじっと座っていられず、何度も戸を振り返ろうとした。自分の手より木が惜しかったわけではない。帳場には薬を包む紙も秤も帳面も残り、外の戸が倒れたままで、みな奥へ引っ込んでいられるはずがなかった。店員がまず板でふさぐと言うのを聞いて、ようやく一度目を閉じた。汗がこめかみを伝い落ちた。
許慎が着いたとき、戸はもう庭に斜めに立てかけられていた。まず箱の角が一か所欠けているのが目に入り、次いで石の上に倒れた二枚の楔が見え、胸が沈んだ。それは昨夜までは彼の胸の内にだけあったが、ここへ足を踏み入れると、血痕や薬屑、自分を見つめる人たちとともに明るみにさらされた。ひと晩はもった、という一言で、もう包み隠すことはできなかった。
「下を動かしたのは誰だ?」と彼は聞いた。
口に出した途端、自分でもおかしいと分かった。陳生は肩を押さえていて、すぐには答えなかった。店員が、箱の角が一度当たったと言った。許慎はしゃがんで楔を見、石の表面をぐるりと手で探った。自分が鑿を入れたことより手近な原因を見つけようとした。水、泥、人の足、誰が先に箱を動かしたのか。探すまでもなかった。どれも薬舗の戸口に現れると、昨夜のうちに知っていたのだから。
物音を聞いた周同が、奥から彼を呼んだ。許慎が立って診察用の腰掛けのそばへ行くと、いつもは素早く銭を数える手が今は布で支えられ、もう一方の手が膝をきつくつかんでいた。周同は、これがきちんと取り付けたという戸かと聞いた。許慎は喉に鉋屑が詰まったような声で、まだ仕上げに来るつもりだったと言った。すると周同は、何を仕上げるんだ、昨日もう引き渡したんじゃなかったのか、と聞いた。
許慎は戸の外へ目をやった。魏策を呼び入れて、いつ何を言ったのか、もう一度確かめたいと思った。少年はしゃがんで木片を拾っていたが、自分の名を聞くとゆっくり立ち上がった。その顔には少しも機嫌を取る様子がなかった。許慎は目を戻し、言い直して、まず怪我を診てもらおう、戸は作り直すと言った。周同は作り直すという言葉には応じず、うつむいて自分の手を見た。以前、飾り模様に目をくれようとしなかったのと同じように、これからのことを言葉ひとつで先に見る気はなかった。
任泉が続いて駆けつけた。上の軸をひと目見るなり、下の軸受けは替えなかったのか、と聞いた。許慎が答える前に、魏策が、替えていません、ずっと二枚の仮楔でした、と言った。任泉は顔を曇らせ、短すぎる軸をつかんだ。怒鳴りたかったが、まず店先が閉まるようにしなくてはならない。師弟がここで言い合って決着をつけたところで、薬屋に吹き込む冷たい風がひと吹きでも減るわけではなかった。
彼は人を任家の木工店に戻らせ、まだ金具を付けていない予備の扉を二枚運ばせた。ひとまずそれで入口をふさぎ、人は脇口から出入りさせることにした。予備の扉は小さく、下に板を一枚足さねばならない。見栄えはよくないが、同じ二枚の外れやすい楔でもう一度危ない目に遭うことはない。許慎も運ぶのについていったが、魏策は自分の持つ側を彼に渡さず、別の店員を呼んだ。三人は彼のそばを通り過ぎた。誰にも手を出すなと言われたわけではないのに、彼はまるで手の差し入れようもない戸口の外に立っているようだった。
彼は南槐巷へ金を取りに行った。阿穂は窓辺で新しい糸留めを試しており、青い顔を見ると、まず寒気のする病気かと尋ねた。戸に少し事故があったと言うと、母はすぐ立ち、手の糸玉が落ちて寝台の脚元まで転がった。彼は拾わず道具袋を開け、残金の一部を取り、自分の古い蓄えも足して必要額をそろえた。二度数えて初めて、指がずっと震えていると気づいた。
母は誰が怪我をしたのかと問い重ねた。薬屋の周さんの手だ、と言うと、もう戸の取りつけがうまくいかなかっただけでは済ませられなかった。阿穂は唇を結び、少しして、下についているあの子がしくじったのかと聞いた。ついさっきまで息子が自分の手で作った糸台を使っていた。息子も間違えることがあると考えるより、少年が仕事に身を入れなかったと考えるほうが、ずっとたやすかった。許慎はすぐには否定せず、金袋を取って先に外へ出た。
周同の前に千二百文を置いた。残金はひとまず返す、治療代も戸の直しも自分が引き受ける、そう言うつもりだった。ところが口を開くと、裏庭の窓の仕事は延ばさなくていい、手が少しよくなれば、自分がまだ間に合わせられる、とひと言足してしまった。言い終えてようやく、二つの話を自分で同じ台の上に載せてしまったと聞いて取れた。そこに金を十分に戻しさえすれば、ほかのことは元どおりになるかのように。
周同は銭に触れず、自分の手はいつ治ると思うかと聞いた。許慎は答えられなかった。相手はさらに、明日は秤を持ち、あさっては箱を担ぐのに、誰が代わって、この二本の指を使えるようにしてくれるのかと聞いた。許慎はうつむいた。背中に汗が染み出した。金に欲が深いと罵られたほうがまだましだった。ついさっき自分が買い戻そうとしたものは、この袋の残金よりはるかに大きいと認めるのは嫌だった。
そばで斉(チー)先生が、傷はまた診なければならないから、いつ治るかは今すぐ言わないほうがいいと言った。それでようやく周同は無事なほうの手で銭を帳場の内側へ寄せ、戸はきちんと直してもらうが、春に作る窓はひとまず見送ると言った。許慎は周さんと呼びかけたが、相手は顔を上げなかった。あの十二枚の窓は、かつて彼の頭の中にきちんと並んでいた。それが今、ひとまず見送るというひと言で、壊れた戸板よりも地面から起こしがたいものになった。
彼が残金をすべて返すと言い出したのは、周同がその額を求めたからではなかった。金を返しても怒りは収まらず、彼が進んで金を出したからといって、傷ついた手がすぐ伸びるわけでもなかった。彼は作業台のそばにしばらく立ち、任泉に失敗したらどうすると聞かれて、負うべき責任は負うと答えたことを思い出した。口でひと言そう言うのはたやすいが、いざ事が目の前に来ると、まずどうすれば少しでも恥をかかずに済むかと考えてしまうものだと、ようやく分かった。
薬舗の戸口をひとまずふさいだあと、任泉(レン・チュエン)は許慎を店に呼び戻し、上の軸と下の受けを実際どう作ったのか、詳しく聞いた。許慎は初め、ひと晩見てぐらつかないのを確かめたと、まだ言い張った。師匠は短い軸を作業台に置き、倒れなかったひと晩を持ち出して、倒れたこの一刻の答えにするなと言った。許慎はようやく、縁の彫り模様を削るのが惜しく、楔でしっかり押さえられると思ったのだと話した。そこまで言うと声がかすれた。魏策は外で聞いていたが、それでも入ってこなかった。
任泉はすぐに許慎を追い出しはしなかった。ただ、扉を作り直すまでは店の名を借りて別の仕事を請けてはならず、自分のしくじりを直すあいだに払う工賃も店にはないと言った。もとは許慎が一人で請けると決まったとき、誰もが責任は切り分けられると思っていた。事故が起きて客がまず訪ねたのは、やはり任家の木工店だった。任泉も気まずい思いをして詫びに行かねばならず、仕事場を貸しただけだと言って済ませることはできなかった。
暮れかかるころ、魏策が六日分の工賃、百二十文を取りに来た。許慎は財布を手探りした。残りは少なく、この先、修理の材も買わねばならなかった。まず半分渡そうと思ったのに、口から出たのは「払わないとは言ってないだろう」だった。魏策は背筋を伸ばして立ち、払わないとは言われていないが、昨日が支払日だったと言った。許慎は扉の埃がついた少年の両手を見て、結局あと二日くれとだけ答えた。
魏策は言い争わなかった。空っぽの布袋をたたんで懐に戻し、背を向けて道具を片づけにいった。妹の小さな櫛をもう取り出すことも、どこの木目が鳥に見えるか許慎に話すこともなかった。許慎は作業台のそばに座っていた。目の前には買ったばかりの長い錐があり、刃はぴかぴか光っていた。何年も欲しいと思い続けた自分の道具が、今は手を伸ばして触るのもためらうほどまぶしかった。
夜、阿穂が温かいご飯を壺に入れて持ってきた。店先では何も聞かず、人前ではただ、この子は一日食べていないから、まずご飯にしなくてはと言った。許慎が受け取ると手が温まり、目の奥まで熱くなりそうだった。母は隣に座り、怖がらなくていい、家にはまだいくらかあるからと小さな声で言った。家という言葉を聞いて、そちらへ身を寄せたくてたまらなかった。結局、ご飯の蓋を開けただけだった。上にはいつものように、母が硬い筋を取り除いた菜がひとつまみのっていた。しばらく、最初のひと口に箸をつけられなかった。
· この章 終 ·
本書はAIの支援を受けて独自に執筆した作品で、劉長卿の『逢雪宿芙蓉山主人』と当サイトの短篇『雪の夜、戸を開けて待つ』をもとに長篇化しました。人物、県城、経路、筋立てはいずれも唐代の趣を持つ架空の創作であり、原詩の翻訳や詩人の伝記ではありません。
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