青玉案・絲絲たる香篆、霧よりも濃し
清代・高鶚
清代・高鶚
細く立ちのぼる香の煙は霧より濃く、緑の木陰と紅い花の雨を織りなす。若い燕が飛んできて蓮模様の幕に寄り、柳絮は雪のように舞おうとし、梨の花の雲は夢のよう、また清明の夕暮れとなった。
屏山遮断相思路,子规啼到无声处。鳞瞑羽迷谁与诉。好段东风,好轮明月,尽教封侯误。 山を描いた屏風が、恋しい人へ通う道を遮る。ほととぎすは声も出なくなるまで鳴く。便りを運ぶ魚も鳥も消息を絶ち、誰に訴えればよいのか。これほどよい東風も、これほど美しい月も、すべて功名を求めることのために空しく過ぎてしまう。
アニメーションの内容は中国語の原版を保持しています。
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渦巻く香から立ち上る幾筋もの煙は霧よりも濃く、緑陰と、散る花びらの紅い雨とを織り成すかのようだ。小さなツバメが飛んできて、蓮模様の帳に近づく。柳絮は雪に変わろうとするようで、梨の花は雲のように夢に入り、また清明の夕暮れになった。
屏風のような山々が、思いを通わせる道を遮り、杜鵑は声が尽きるまで鳴き続ける。便りを運ぶ魚や雁も、ぼんやりと道に迷っている。私は誰に語ればよいのか。こんなに心地よい東風も、こんなに見事な満月も、侯に封じられる功名を追うために、すべて無駄にされてしまった。
香篆:篆書の文字のように渦を巻く香。また、その煙の筋。紅雨:散り落ちる花びら。乳燕:ツバメのひな。蓮幕:蓮の模様で飾った帳。
梨云:純白の梨の花を雲にたとえた語。屏山:屏風の形をした山。絵屏風と関連づけて読むこともでき、隔たりを表す。子规:ホトトギス。
鳞瞑羽迷:魚と雁を便りの運び手とし、音信が途絶えたことを描く。「瞑」は目を閉じて昏々としていること、「迷」は道を見失うこと。好段、好轮:風や月の美しさをたたえる言葉。
封侯:功績を立て爵位を授かることによって、功名を追うことを指す。この詞は閨中の人の口調で書かれており、作者自身が実際に侯に封ぜられた経験を持つという意味ではない。
作品案内:高鶚は清明の頃、暮春の閨怨という題材で恋慕を描く。詞中では花や木が繁り、風や月も美しいが、待つ人の心を晴らすことはできない。結末では別離の恨みを、功名と再会との対立へと向けている。
前半の香の煙、緑陰、花びらの紅い雨、柳絮、梨の花の雲は、いずれもおぼろに流れる感覚を帯びる。景色が濃くなるほど、思いはかえって行き場を失う。燕が帰ってこられることも、人からの便りが途絶えていることを際立たせる。
後半は屏風のような山、杜鵑、道を見失った魚や雁によって、隔たりを段階的に深める。結びで「好」(よい)を繰り返すのは突然喜びに転じたのではなく、美しい風や月をむなしく過ごすことを惜しむためである。「误」(誤らせる)の一字に、詞全体の奥深い恨みが集まっている。
詩から、物語の中へ
三炉目の長明香も夜明け前に途切れ、沈綃は冷たい灰を全身に浴びせられた。残金三百両も、侯爵家に入る将来も危うくなった。彼女は母がすり減らして失った二本の指を覚えており、若侯爵から贈られた翡翠の耳飾りも手放せない。だが、灰の中で結び目が一つ足りない細糸と、炉のそばで一瞬聞こえて消えた泣き声が、体面のよいこの商いを、次第に収拾のつかないものにしていく。
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