中国古風・旅と世情の長編
衣装をその人の手に渡す
酷無極 · AI創作 · 5097 字 · 約 13 分
韓榕が来た日、まず顧鳴の袍を頭からかぶると、顔の半分が襟に閉じ込められた。人にほどいてもらうのを待たず、自分で下へしゃがみ、穴から抜け出せない獣のようだった。陸鶴娘が笑いながら襟元を引き開けてやると、額が出るなり言った。「この書生は四十になるまで本を読まなかったのか、どうして首まで読み細らせたんだ?」阿照は急いで巻き尺を取った。顧鳴は戸外で笑い、初めて、一寸短い自分の袖口をかばう必要がなかった。
韓榕は四十二歳で、肩幅が広く背に厚みがあった。若い頃は書生を演じたが、ここ何年かはもっぱら旦那役だった。柳生を引き受けたいのは、今回の稼ぎだけが目当てではなかった。阿照がどちらの足から踏み出すのに慣れているかと聞くと、どちらもだと言い、そのまま舞台を一周した。向きを変えるとき、右膝が明らかに一度止まった。陸鶴娘が、舞台に出るのは縁談の見合いじゃない、隠すことはないと率直に言った。ようやく彼は膝を押さえて笑い、雨の前にはうずくが、一歩も歩けないわけじゃないと答えた。
アージャオはグー・ミンの古い寸法の紙をもとに直すことはしなかった。二人は肩の傾きも肘の曲がり方も違い、古い青の長衣は縫い目をほどいて幅を出しても足りない。幸い、裾の古布はまだ裏の継ぎ足しに使えた。彼女はハン・ロンに手を上げてもらって寸法を取り、舟に乗るときはどうまたぐかと尋ねた。ハン・ロンはグー・ミンの真似をして足を高く上げた。顔は笑っていたが、首の後ろはこわばっていた。普段どおりの足取りでやってくださいと頼み、測り終えるとグー・ミンの紙を前の頁に挟んだ。書き消しはせず、もうその寸法をハン・ロンに押しつけることもしなかった。
グー・ミンは最後の何度かの稽古に付き合った。ある場面では、振り向きざまに綱を軽くまたぐはずだったが、ハン・ロンは先に書物袋を舟へ渡し、それからルー・ホーニャンが差し出す棹をつかむように変えた。ルー・ホーニャンが手を緩めると、彼はのけぞり、危うく彼女まで岸から引っ張り落とすところだった。グー・ミンは板を押さえ、今のは俺のあの一歩とは違う、と口走った。ハン・ロンは少しこわばったが、やがて言った。なら同じ一歩と呼ばなきゃいい。若造は颯爽と渡るが、年を取った書生だって川は渡らにゃならん。
小満は試しに、書袋に何が入っていてそんなに重いのか、と問いをつないだ。彼は、試験に通らなかった昔の文章さ、こうと知っていたら粟を二包み持ってきたのに、と答えた。陸鶴娘は、粟なら舟賃を取るけど、文章は水漏れを塞ぐくらいにしか使えないね、と受けた。脇で蔡衡が太鼓を一つ打つと、皆が笑った。もとは笑いのないくだりだった。年を取った書生が恥をかくまいとするその気持ちが、あとで阿蘅が書袋を守ってやる心遣いに、かえって確かな実感を与えていた。
笑いが収まると、ハン・ロンは人目を避けてガオ・ショウチョンに、グー・ミンのあの振り向き方を残せないかと尋ねた。颯爽としていなければリウションに見えないと思ったのだ。座長も、役者を替えたらチュンホー一座は年寄りくさくなったと言われたくなくて、衣装で少し助けられないかとアージャオに言った。アージャオは後ろの裾を上げてみた。見栄えは少しよくなったが、膝が止まる一瞬はそのままだった。衣が作れるからといって彼の歳までならせるとは、とても言えなかった。彼女は仮縫いの糸を切り、まず無理なくできる動きを決めてほしいと頼んだ。
顧鳴は蘭汀を離れる前に、彼女の新しい襟を一度見てくれた。そのときふいに、前は自分だってあの身の返し方がすっかり気に入っていたわけじゃない、でも客が喝采するのを見ると、次はもう少し高く跳びたくなった、と言った。大きな一座に行って、自分より高く跳ぶ人がいたらどうするの、と阿照は聞きたくなったが、口には出さなかった。彼には彼の競いたい場所がある。まだ出発もしていないうちから、先でつまずいて戻ってくる姿を思い描くのは、あまりにも自分の気を楽にするためだった。
八月二十六日、グー・ミンは客舟のそばでチュンホー一座の木剣を返した。ガオ・ショウチョンは削ぎ落とされた赤い房を見つけて結びつけ、一座の備品を受け取るときと変わらぬ調子で、また暇があったら来いと言った。グー・ミンはうなずいてから、新しい一座は自分の都合で休めるわけではないと説明した。ルー・ホーニャンは、初日から人を待たせないよう早く乗れとせかし、彼が背を向けると、まず目尻をひと拭いして、暑くて汗が目に入る、と悪態をついた。
阿照は彼の襟元を最後に直した分として十二文を受け取った。銭を受け取るとき、指が彼の手に触れた。顧鳴は、衣がゆるくなった、前は自分が食べすぎていたせいじゃなかったんだなと言った。笑わせようとしていると分かったので、阿照は笑ってみせた。それでも、別れがたい気持ちまで全部のみ込んではしまわなかった。船が岸を離れると、顧鳴は新しい仲間の隣に立ち、こちらにも手を振った。追い出されたようには見えず、去っていくからといって喜んではいけないという顔でもなかった。
韓榕(ハン・ロン)の衣装一着を直す代金は、その後百四十文に決まり、材料は別に一座の物入れから出してもらうことになった。阿照(アージャオ)は背中のゆとりを内ひだに残し、右の裾を少し引っ込めた。顧鳴(グー・ミン)の衣装のままで通そうとはしなかった。阿照と小満(シャオマン)は場面転換の手順を決め、暗がりで目だけを頼りに探さずに済むよう、結び紐の端は手触りをそれぞれ変えておいた。蔡衡(ツァイ・ホン)が一度試しにその役を引き受けてみたが、ほどく紐を一つ間違えたので、阿照は目印をもう少し単純にした。先にゆるめる紐だけ、片端を長く残した。
ところが陸鶴娘は二日続けて、声に張りが出なかった。喉に灰がまとわりついたみたいだと、初めは冗談にする余裕もあったが、二度目は歌の途中で止まり、顔を背けて水を飲んだ。座長は初め、熱が引けば治ると言っていたが、口を開いても声がまだかすれているのを見て、ようやく医者に行かせ、言いつけどおり喉を休ませた。阿照にはその治し方は分からず、着替えを手伝うときには首のどこが締まるかだけを聞いた。紐を一本縫ったところで、喉まで直せるわけではなかった。
ルー・ホーニャンが歌わない二日間、シャオマンが代わりに台詞を読んだ。ガオ・ショウチョンはそれを聞きながら、アーホンをシャオマンに任せられるかもしれないとふいに言った。シャオマンの手の中で台本が止まった。もちろんやりたかった。その一瞬にはもう、若い頃にどう足を踏み出したかまで思い出していた。だが少し試しに歌ってみると、息を継ぐところがルー・ホーニャンとは違い、古い衣装も肩が狭かった。出来上がった飯を一椀運ぶように、そのまま舞台に出せるものでは到底なかった。
陸鶴娘は脇に腰を下ろしていた。ひどい顔色で、私が休むのは二日だけなの、それとも休み明けには衣装まで私のものじゃなくなるの、と尋ねた。座長は慌ててそういう意味じゃないと言ったが、小満は台本を閉じて、さっき本当に歌いたいと思ったことを認めた。二人はしばらく見つめ合い、陸鶴娘が先にひと声笑った。愛想のある笑いではなかった。「ずいぶん正直だね。」小満は、私が正直に言ったところであんたの喉は休まらない、今夜は自分で口数を減らして、もう私と言い合うのはよしなよ、と言った。
そんなわけで、秋公演は欲張れなかった。本公演の前の晩に一幕歌ってほしいと、ある酒楼から声がかかっていた。金も出すという。高守成はすでにその金を食費に当て込んでおり、急に手放すのは口で言うほどたやすくなかった。短くしてみようか、陸鶴娘には立ってもらうだけで歌わせずにいようかとも考えた。とうとう幕の裏で彼女がしばらく咳き込むのを聞き、ようやく腰を下ろして、全幕を二晩に組み直した。間に一日空け、酒楼の公演はもう挟まなかった。
陸鶴娘は、一公演減れば自分の取り分も減り、このところ口にしていた家賃は相変わらず払わなければならないと分かっていた。座長の気遣いをすぐに褒めるでもなく、買い足すつもりだった髪飾りの花を返し、古い花を高蔓に繕ってもらうことにした。高蔓は自分の金を出して父の食費の穴を埋めることはせず、秋公演のまだ入っていない金を、先にあれにもこれにも割り振らないでと言った。座長はむっとして何か言い返しかけたが、結局、じゃあお前が書け、俺は見ている、とだけ言った。
南堂の舞台まわりも組み直すことになった。高守成は客席をもう一列増やしたがったが、余親方は脇の出入り口を測って首を振った。四十席が限度だった。二本の高い旗は梁の下ではまっすぐ立たず、阿照は用意していた旗竿の覆いを材料棚に戻した。陸鶴娘は舞台の縁で旗が傾いて冠に当たるのを嫌がった。旗がなくなると、舟と岸には板と綱だけが残った。小満は、それまで大きく身を返して立てていた風の音を、先に歌の中から送り出すことにした。
後幕の稽古が終わりにさしかかったとき、韓榕は、戻ってきた柳生に阿蘅へ何を差し出せるのかと尋ねた。肩幅を広げたばかりの衣装を着て、二枚の板の間に立つと、ようやく若者の衣装を借りているようには見えなくなった。高守成は、むろん迎えに来て連れていくのだ、もとの芝居ではずっとそうだと言った。陸鶴娘は、岸のどこに彼女が舟を浮かべる場所があるのかと尋ねた。座長は脚本に書いていないと言ったが、韓榕は書袋に手をやって笑った。「私はようやく役目を得たばかりの小役人で、家だってあるかどうか。先にあんな広い屋敷を約束しておいて、まさか彼女に舟まで売らせるんですか?」
今度は笑う者が少なかった。小満は台本をしばらく探してから、前のほうでは阿蘅は父に代わって渡しを守っていると言っているのに、後ろでは行きたいかどうか聞いていないね、と言った。陸鶴娘は、書生を説教するような幕切れにしたくなかった。人が普通に口にする一言が欲しいだけだった。皆で夕飯のあとまで試した。文句が硬すぎるものもあれば、歌うと別れの言葉に聞こえないものもあった。阿照は脇で旗袋の口を縫いながら、きれいな幕切れが一つ、また一つと、試すうちに駄目になっていくのを聞いていた。
最後に残ったのは、柳生が岸に上がる前、来年もここを渡るので、また君の舟に乗せてもらえるかと訊く形だった。阿蘅は、その日自分がいるかどうかね、渡し賃はいつもどおりもらうよ、と答え、背を向けてなお別れを惜しむ間があった。高守成が淡泊すぎると渋るので、韓榕は書物袋を舟べりに置き忘れてみせた。阿蘅は追いかけて返すことになり、二人はもう一度目を合わせた。座長はまだ決めず、明日、前の場面とつなげてもう一度やるように、終幕の工夫だけに目を奪われるなと言った。
韓榕は最後まで試着しても衣装を脱ぎたがらなかった。戸口に立って、襟が老けて見えないかと、さっきより低い声で阿照に聞いた。阿照は初め、役者の年は襟で決まるものではないと言いかけたが、彼がかすかに顎を引いているのを見て言葉を変え、細い縁と太い縁のどちらが好きかと聞いた。一度ずつ当ててみると、細い縁のほうが確かに顔がきりっと見えた。韓榕もそれに気づいて、満足そうに笑った。膝のせいで動きが止まることを認めても、その人が見栄えよくありたいと思う気持ちまで一緒に裁ち落とすことはないのだと、阿照はようやくわかった。その縁を紙に書き留め、最後のひと針を決めるのは、彼の肩の力が抜けてからにした。
夜更けに仕事が引けると、阿照は二揃いの衣をどう着替えるか絵にして高蔓に見せ、目を閉じて何本かの紐を探ってもらった。高蔓は一度間違え、いら立って、その覚え方では結局あんたにしか分からないと言った。阿照は言い争わず、その箇所をほどいて縫いつけ直した。秋の興行が済んだあとも、いつまでもすべての衣装のそばにいられるわけではない。人の手に渡ってからも使えて初めて、この仕事は本当に終わるのだった。
小満が部屋へ戻ると、阿笙はもう小さな机にもたれて眠っていた。紙には曲がった「舟」の字が一つあった。子どもを抱いて寝床に移し、古い太鼓台を作り替えた机の脚をひと撫でした。阿照が新しい襟に覆いをかけると、窓の外でまた、誰かが直したばかりの終幕を口ずさむのが聞こえた。半句を忘れて古い詞を継ぎ、もう一人が笑って直した。秋の公演はまだ始まっていなかったが、そろって折れる気のない何人かの口から、新しい道が一足先に、途切れ途切れに伸びていった。
· この章 終 ·
本書はAIの支援を受けて創作し、張若虚『春江花月夜』およびオリジナル短編『灯を借り、舟を返す』をもとに長編化したものです。登場人物、地理、出来事はいずれも架空であり、原詩の翻案や詩人の伝記ではありません。
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