酷無極文庫 詩詞から生まれた · オリジナル小説
詩詞の中の物語
一行の詩を、一つの物語として読む。
渡し場の灯、出されなかった手紙、そして名もない人々の身に降り注ぐ月の光。
お茶一杯の時間を自分に贈り、人の世を綴る一巻を開いてみましょう。
本棚を見て回る
118 作品が、静かに読まれるのを待っています
作品集
書架の蔵書 118
一冊を選び、物語がゆっくりと広がるのを楽しんでください。
寒食のほのかな明かり
寒食の夕暮れ、余小楼は朱色の覆いの宮灯を抱え、火の消えた長い通りを歩きながら、褒美の金でもう一度妹を捜せるだろうかと勘定していた。三本目の蝋燭の中で、赤い糸を巻いた骨針がかすかに鳴った。そばの布切れの文字は、ひと目で誰のものか分かるほどいびつだった。火を届ける決まりでは、一軒たりとも届け先を間違えてはならない。火を受け取る役人はすでに一行に出発を促している。あの針を隠した蝋燭に限って、武安侯の屋敷へ届けなければならなかった。
この本を開く梅の燃えさしの残り香
師門を追われた謝微は、壊れた橋のたもとに小屋を建てて医業を営み、身の潔白を証明できる一枚の証文を守っていた。雨の夜、矢傷を負った客のために昔の香をたくと、二年も彼女を捜していた者の馬の鈴を呼び寄せてしまう。そして負傷者こそ、かつて追放命令に署名した人物だった。香袋はまだ腰に寄り添い、橋のアーチの外では水かさが次第に増していた。彼女は、とうに乗っているべきだった東海行きの舟を思い出す。
この本を開く物語と詩は、互いの源となる。詩の目録でインスピレーションを探す